『重力ピエロ』を観て想う。妊娠中絶と生と死【ひとりごと】

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出典:amazon

映画「重力ピエロ」鑑賞。
久しぶりに考えさせられる映画でした。 原作は人気小説家、伊坂幸太郎重力ピエロ (新潮文庫)です。

映画は原作ファンからは中々酷評されているようですが、原作未読で読んだら結構楽しんで観れましたよ!

さて、今回はそんな映画感想の【ひとりごと】です。ちょっとデリケートな話になったので公開迷ったのですが、色々面白かったから乗せちゃう。

(筆が乗りすぎて9000字近くなりました。興味がある部分だけ読み飛ばした方が良いかも?)

あわせてどうぞ!

【ふんわり哲学】もし大切な人が人を殺してしまったら、どうする? - monaka (こっちの方がソフトな読み物です)

【ひとりごと】はちょっと哲学要素が強い記事だよ。1人でぶつぶつ話すみたいに執筆雰囲気も変えてます。専門的にならないようにはしてるけど、ちょっと複雑かも?

ネタバレしないように頑張ったけど、がっつりネタバレしてるってよ……

では、行きますー。

映画、重力ピエロを観て想う。
ひとりごと。

『重力ピエロ』を観て。映画感想。

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春が、二階から落ちてきた

『重力ピエロ』は、優しいピアノ曲に包まれて、春の陽だまりのような出だしを切る。

しかし、次の瞬間に助けた少女を殴るという意味不明な行為。二階から飛び降りる超人的な演出に唖然。

ただの話ではないな…と思わされる。

そして、予想外にも色々な感情を考えさせられる話でもあった。

「重力ピエロ」を見て思う。生と死

この子供、産もうと思う。

このフレーズを聞いて、パッと大学生時代の記憶が浮かぶ。

「妊娠中絶は善か悪か。良いか悪いか。2つのグループに分かれて議論をしてください」

大学1年生の春。私は、初めてのゼミで突然そう言われた。

妊娠中絶が良いか、悪いか。
許されるか、許されないか。

私は色々と考えて「中絶しても良い」というグループに入った。

  • どういう過程でできた子どもなのか
  • その子どもを幸せに育てることができるのか

親と子ども、どちらも幸せな未来はどれか。 そして、親としての心を第一に考えた。
(だって、生まれる前の子供の気持ちはわからない)

しかし、映画「重力ピエロ」での決断は、私の決断とは真逆の驚くべきものだった。

この子供、産もうと思う。

この決断は、映画を見た多くの人に波紋を呼んだだろう。

レイプをされてできた子ども、それがハルだ。

レイプをされて子どもができた時、人は何を思うのだろうか。中絶するか、しないか。

妊娠中絶は許されるか、許されないか。

もし大切な人が苦しんでいたら。相談をされたら、そのときどんな言葉をかけるだろうか?

産むべきと言うか
産まなくても良いよと言うか

多くの人は、どう考えるのだろう?

「妊娠中絶は悪い」と言う人が多い

妊娠中絶は良いか悪いかの議論で、「中絶は絶対にダメだ」と強く主張する人が多かった事が、印象に残っている。

なぜなら、「殺人」だから。

殺人を容認することはなかなか難しい。

「生んだ母親は、その後どうするの? 生まれた子どもはどうするの?」

「では人を殺して良いの?産んでみなければ、未来はわからないではないか」

「産んでうまくいく人ばかりじゃないでしょう」

まあ、こんな感じで、終始議論はぐだぐだ。

殺人はダメと考える人は、妊娠中絶は納得できないのだろう。

何があっても妊娠中絶はダメなのか?

妊娠中絶がダメだと言う場合、何があっても、どんな理由があってもダメと言えるのか?

ここが、中絶がダメという人の焦点になるだろう。

人を殺して良い、悪いなんて、当たり前に悪いことだとしか言えないかもしれない。

けど、死刑制度がまだ現代に残ってしまっているように、場面によって殺人が良いか悪いか、その選択も異なるのでは…?

海外でのとある事件

とある海外事件の話をしよう。

海外で未成年がレイプをされて妊娠。発見された時には法律的に中絶が許される時期が過ぎており、裁判所は中絶を拒否。少女は出産した。

これは、まだ12歳程度の少女の話だ。

産んだら家族や周囲が支えてくれる…? これはそんな話で終われない。事件のレイプ犯は親族だった。助けてくれる人は周囲はおらず彼女は長期間虐待されていた。

出産して、その幼い少女は、生まれた子供は、どう生きていくのだろうか。

そもそも、12歳ほどの少女の出産がどれほど過酷か…想像もできない。手術になるのだろうか。あまり医療の進んでいる国には見えなかったが…。お金もないだろうし…。

もし、中絶が法律的に許される時期だったら、その子どもは中絶したいと言ったのだろうか?

産むべきという人は、こんな人を目の前にして意思を貫けるような気持ちを持ってほしい。

生と死。妊娠中絶。この2つについて『重力ピエロ』のレビューでは興味深い結果が

私は映画を観終わるとざっとレビューサイトを見て回った。そこでこんな感想を見つけた。

レイプ犯の子どもを産む選択は、常識的にありえない。

強姦された子供を産むという非現実的な話だった。 妻が強姦されて生まれた子供が目の前で育つのを、父として普通に接していけるのか。非現実的な話で感情移入ができなかった。

レビューにはこういった意見が結構多くみられた。レイプされた後で子どもを産むのはあまり共感できないらしい。

そしてもう1つ。私が気になったのは、このレビューだ。

どれほど怒りがあっても、人を殺してはいけないと思う。

生と死。道徳と心。正義と悪。どれを選ぶ?

映画、重力ピエロでは、妊娠中絶をしない、生を選ぶシーンと、悪役を殺す、死を選ぶシーンがある。そのシーンでは優しいピアノ曲がバックに流れ、人を殺す陰鬱さはそれほど無い。ただ、復讐に至るまでの優しい思いが強調される。

大切な人との思い出。そして復讐を選んでしまうほどの悲痛な感情。

映画では、それが鮮やかに表現される。見る人によっては悪役を退治してくれ!(つまり殺してくれ)と思うだろう。

他の映画だと、殺さない事も多い。または、誰かに殺そうとする所を止められるとか。それで人殺しはダメだ!と説得されるとか。 しかし「重力ピエロ」ではそれがなかった。

警察にもいかない

映画では、最終的に警察に捕まる場面が多いが、重力ピエロではこんな会話が出てくる。

警察に行くよ。

………お前がやったことは悪いことじゃない。

でも世の中的にはそうじゃない。

そんなのどうでもいいよ。

お前はきっと、自分のすべきことを何千回何万回と考えてきたんだろう?……中略……お前以上にこのことを真剣に考えられる奴はいない。

苦しみの中で考えて考えて、どうしようもない結果だったとしたら。

正しさ=救われるとは限らないのだ。

おわりに

中絶は良いか、悪いか。
人殺しは良いか、悪いか。
許されるか、許されないか。

この問題に答えをはっきり出すのは難しいとおもいました。

個人的に、中絶をしないのはおかしいというレビューと殺人はおかしいというレビューが混ざっていたのは面白かったです。

大学時代は、殺人、中絶、絶対ダメ!という人が多かったから特に。

映画『重量ピエロ』では「中絶しない」は正義だった

重力ピエロの中で、産んだ子どもとその家族の関係性は良いものでした。

自分の中では、やむおえない場合中絶はしても良いという意識があったのですが、「中絶をしない」という1つの可能性を、映像で見たことで改めて考えさせられる、そんな話でもありました。

こう言った思考が変化できるのも、映画や娯楽の魅力ですねぇ。

おわりのまとめ!

長く書いたけど、重力ピエロ、面白かったです。色々とツッコミたい部分もたくさんあったし…。

とりあえず、考える続けるとドツボにはまるので今回はこのくらいで。

原作小説も読んでみたいなあと思います。

あわせてどうぞ!

【ふんわり哲学】もし大切な人が人を殺してしまったら、どうする? - monaka (こっちの方がソフトな読み物です)

「重力ピエロ」あらすじ

半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。

町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。

連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。 引用:重力ピエロ

原作はこれ!

DVD・映画はこれ!

おわり!